血圧は、高いままでよいわけではありません。
高血圧は自覚症状がないことも多いため、「少しくらい高くても大丈夫」「年齢が高くなれば血圧も高い方がよい」と思われることがあります。
しかし、高い血圧が長く続くことは、脳卒中、心臓病、腎臓病などのリスクを高めます。
血圧を適切に管理することは、将来の病気を予防するために大切です。
ガイドラインを参考に、一人ひとりに合わせて治療します
当院では、日本高血圧学会の『高血圧管理・治療ガイドライン』などを参考にしながら、患者さんの年齢、家庭血圧、合併症、腎機能、体調などを確認して治療を行います。
同ガイドラインでは、高血圧患者さんの降圧目標として、次の値が基本的な目標とされています。
ただし、すべての患者さんに機械的に同じ目標を当てはめるわけではありません。
ふらつき、起立性低血圧、腎機能、全身状態などを確認しながら、安全性にも配慮して治療を調整します。
QUESTION
高齢になると、血圧は高めの方がよいのでしょうか?
年齢が高くなると血圧が上昇しやすくなりますが、「高齢だから血圧は高いままでよい」というわけではありません。
高血圧は年齢にかかわらず、脳卒中や心血管疾患などのリスクと関係します。
一方で、高齢の方ではふらつきや転倒、薬の副作用、他の病気などにも配慮する必要があります。
そのため、血圧の数字だけでなく、患者さん一人ひとりの状態を確認しながら治療目標や薬の量を調整します。
血圧を適切に下げることには根拠があります
将来の病気を減らす
日本高血圧学会では、上の血圧(収縮期血圧)を10mmHg下げることで、脳卒中・心臓病が約2割減少するとしています。
臨床研究から分かっていること
大規模な臨床研究では、高血圧をより適切に管理した群で、脳卒中や心臓病などの心血管イベントが少なくなることが報告されています。
安全性にも配慮する
血圧を下げることで、一部の患者さんでは低血圧やふらつき、腎機能への影響などが起こることもあります。「下げれば下げるほどよい」のではなく、適切な目標を設定して定期的に確認することが大切です。
家庭での血圧も大切です
診察室だけでなく、ご自宅で測定した血圧も高血圧の診断や治療を考えるうえで大切な情報です。
診察室では緊張して血圧が高くなる場合や、反対に診察室では正常でも家庭では血圧が高い場合があります。
ご自宅で血圧を測定されている方は、記録を診察時にお持ちください。測定方法や回数について不明な点がある場合は、診察時にご相談ください。
生活習慣の改善と薬による治療
減塩
高血圧の方では、食塩摂取量6g/日未満が推奨されています。
適度な運動
体調や持病を確認し、無理のない範囲で続けます。
適正体重の維持
体重の増減や生活状況を確認しながら取り組みます。
節酒
飲酒量を見直すことが血圧管理につながる場合があります。
禁煙
喫煙は心臓や血管の病気のリスクに関係します。
必要に応じた降圧薬
患者さんの状態や合併症に応じて、1種類または複数の降圧薬を組み合わせることがあります。
生活習慣や家庭血圧、体調が変化した場合には、診察で状態を確認したうえで薬の量や種類を見直すことがあります。
血圧が下がったからといって、
自己判断で薬を中止しないでください
薬を飲んで血圧が正常になっている場合、治療によって血圧がコントロールされている可能性があります。
自己判断で薬を中止すると、再び血圧が上昇することがあります。
薬の減量や中止については、家庭血圧や体調などを確認しながら医師と相談して決めましょう。
よくある質問
血圧の薬は一度始めると一生続けるのですか?
治療の必要性や薬の量は、家庭血圧、生活習慣、合併症、体調などによって異なります。状態に応じて見直すことがありますが、自己判断で中止せず診察時にご相談ください。
症状がなくても治療は必要ですか?
高血圧は自覚症状がないことが多い病気です。将来の脳卒中や心臓病などのリスクを減らすため、血圧や全身状態を確認しながら管理することが大切です。
家庭血圧はいつ測ればよいですか?
測定する時間や回数は患者さんの状態によって異なります。自己判断で薬を調整せず、診察時に測定方法をご相談ください。
血圧の値や家庭血圧、治療について気になることがある方は、お気軽にご相談ください。
電話で相談する 06-6922-2526より詳しく知りたい方へ
日本高血圧学会の公式情報をご覧いただけます。
